デス・ポルノ――むき出しの死を映し続けるメディアはやり過ぎたのか

12歳の新聞売りの少年が、アフガニスタンの雑踏で突然爆発しました。この自爆テロで25人の死者と多数のけが人が出ました。オーストラリアの写真家Stephen Dupontは爆発の現場から5mの所に居合わせ、爆発直後の惨状をくまなく撮影しました。Dupont氏のインタビューはこちら(閲覧注意)。

自らも血を浴びながらカメラを持って死体を撮り続けるうちに、彼は自分の行為の意味を問い始めていました。

死体が全く乱雑に散らばっている中に座っている男がいました・・・これを写真に撮るべきかどうか、わかりませんでした・・・あらゆることを疑問に思っていたのです。つまり、写真を撮るべきか、撮るのをやめて、死体をトラックに投げ入れる手伝いをすべきか・・・それが何の役に立つのかはわかりませんでしたが。

こうした問いかけをもとにDupont氏の母国オーストラリアでは、紛争地域でのメディアの倫理について対話が行なわれはじめています。

「デス・ポルノ」(Death Porn)とは、インターネット上に流布する死体や残酷な事故を扱った動画や写真を指すインターネットスラングです。残酷なものを見ようとする一部の人々の欲望が、まるでポルノ写真を見ようとする人の欲望に似ていることから、このような呼び方がされるようになりました。事実を克明に伝えようとするメディアが、被写体に肉薄するあまり、実際は残酷な画像をあたかもポルノ画像のように垂れ流しているのではないか。Dupont氏の経験は、そのような問いが実際に写真を撮る人の側から切実な問いとして出はじめていることを示唆しているでしょう。

Death Porn: does the media go too far?

0 件のコメント:

コメントを投稿

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...